お知らせ・トピックス
福岡市のインクルーシブな子ども広場を視察しました
2025年3月15日に、福岡市にある3箇所のインクルーシブな子ども広場を視察しました。
視察当日が雨天であったため、子ども達が遊ぶ様子は見ることができませんでしたが、遊具等の状況を詳細に確認してきましたのでご報告します。
※写真はクリックすると拡大表示されます。
百道中央公園(遊具広場・芝生広場)
1.整備プラン検討のためのワークショップ
- 計6回のワークショップを実施し、のべ110名(地元住民27名、障がい関係者66名を含む。)が参加。
- 全盲の視覚障がいの方向けに、事前に当日資料のテキスト版を送付するとともに、当日は専任の補助スタッフを配置、整備プランの触知図(触って園路のルートや地面の高低差がわかる図面)を用意。
- 障がいのある子どもの保護者が参加しやすいよう、ワークショップ会場に子どもの見守りを行うスペースとスタッフを配置。
- 多様な参加者が自由に話しやすいよう、市民ワーキングは九州大学芸術工学研究院平井研究室が中心に運営を行い、毎回学生スタッフが参加(のべ40名)し、各グループのファシリテーションや子どもの見守り、障がい者の補助を実施。
→詳しくはこちらを参照。
2.広場の整備イメージ図
《遊具広場(アクティブエリア)の詳細》
《芝生広場(マイペースエリア)の詳細》
※出典:福岡市HP
3.広場案内
4.遊具広場(アクティブエリア)
(1)案内板
(2)遊具エリア1
遊具広場には高低差のある場所があり、複合遊具が高い場所から低い場所へのスロープの機能を果たしています。
複合遊具の近くには、地面の絵で遊べる場所も。
地面には、安全性と走行性を兼ね備えたゴムチップ舗装が施されています。
(3)遊具エリア2
↑オムニスピナー
流山市総合運動公園にも導入されていますが、子ども達に大人気で、複数の子どもが一緒に乗ったり回したりできるため、子ども同士の交流が生まれやすいのが特徴です。
↑ベッドジャンパー
笠間中央公園にも導入されていますが、あえて跳ねすぎない仕様となっており、笠間で視察した際にはあまり人気がありませんでした。
↑コージードーム
中に入って落ち着ける場所として設置されています。
↑遊具エリア2の境界部にはベンチ柵が設置されています。
遊び場を緩やかに囲うとともに、見守りをする保護者が座れる場所としても機能しています。
(4)砂場エリア
車いすの子も一緒に遊べるテーブル砂場が併設されています。
(5)築山エリア
《築山(大)》
↑車いすでも登れるように緩やかなスロープが設置されています。
《築山(小)》
休憩エリア
5.芝生広場(マイペースエリア)
(1)一人遊びエリア
(2)アクティブエリア
↑この形のブランコは他のインクルーシブ公園でも大人気なので、2つも設置されているのは嬉しいポイントです。
↑身体を固定できる椅子型のブランコ1つと通常型のブランコ2つも設置されています。
↑ミスト遊具です。夏季限定でこの辺りに水遊び場が設置されるようです。
(3)ひっそりエリア
(4)健康遊具エリア
↑健康遊具エリアに設置されているベンチには背もたれと手すりがついています。
↑車いすのまま近づけるユニバーサルテーブルベンチも設置されています。
6.バリアフリートイレ
百道中央公園には、バリアフリートイレが2箇所併設されています。(上図の緑色部分を参照。)
(1)バリアフリートイレ①
(2)バリアフリートイレ②
7.駐車場
↑優先駐車場の真横からスロープで園内に入れるようになっています。
西南杜の湖畔公園(ふれあい広場) ※整備中
1.整備プラン検討のためのワークショップ
・第1回:「現地確認とアイディア出し」(令和5年10月7日)→詳しくはこちら
・第2回:「基本プランの作成」(令和5年10月28日)→詳しくはこちら
・第3回:「プランのまとめ」(令和5年11月18日)→詳しくはこちら
・第4回:「最終プランの確認」(令和5年12月23日)→詳しくはこちら
2.広場の整備イメージ図
※出典:福岡市HP
3.広場の様子(整備中)
ひとり遊びゾーン
交流遊びゾーン
《複合遊具》
《ブランコ》
《オムニスピナー》
《砂場》
自然遊びゾーン
ベンチ
↑広場の所々に(おそらく)縁台型のベンチが設置されています。
トイレ
↑広場横のトイレには、着替え台はありますが、ユニバーサルシート等はありません。
4.バリアフリートイレ(@管理事務所)
↑バリアフリートイレは、インクルーシブな子ども広場(ふれあい広場)から少し離れた管理事務所に設置されています。
↑管理事務所からふれあい広場方面を撮影した写真。
左奥のネットのさらに奥にふれあい広場があります(子連れだと結構遠いな...という印象です。)。
5.駐車場
車いすでふれあい広場にアクセスするには、第1駐車場または第2駐車場を利用した方が良いです。
第1駐車場からだと長いスロープを登る必要があるので、管理事務所に近くフラットにアクセスできる第2駐車場の方がオススメです。
第1駐車場
第2駐車場
桧原運動公園 ※整備中
1.整備プラン検討のためのワークショップ
・第1回:「桧原運動公園とインクルーシブな子ども広場について知ろう」(令和5年10月8日)
→学びと現地確認による課題探し(詳しくはこちら)
・第2回:「こんな子ども広場があったらいいな」(令和5年10月17日)
→アイデア出しとゾーニング(詳しくはこちら)
・第3回:「こんな子ども広場にしよう!!」(令和5年11月21日)
→計画案のまとめ(詳しくはこちら)
・第4回:「みんなで楽しめる子ども広場ができたよ」(令和5年12月19日)
→最終計画案の確認(詳しくはこちら)
2.広場の整備イメージ図
※出典:福岡市HP
3.広場の様子(整備中)
日没後に視察したため、写真が暗いですがご容赦ください。。
交流遊びゾーン
ひとり遊びゾーン
自然遊びゾーン
バリアフリートイレ
↑整備中のため中には入れませんでしたが、トイレの扉に以下の通り機能案内があります。
・音声案内
・オストメイト
・介助用ベッド
・ベビーチェア
・着替え台
4.駐車場
↑広場のすぐ横に駐車場があります。視察時は一部整備中でした。
所感
福岡市は、インクルーシブな子ども広場の整備を行うに先立ち、令和4年3月に有識者による整備指針検討委員会を設置し、舞鶴公園に臨時的に創出した体験の場で得た知見を踏まえて、令和5年1月にインクルーシブな子ども広場整備指針を策定しました。
その指針をふまえ、整備する公園ごとに障がい当事者を含む市民とのワークショップを開催し、市民の声を活かして各公園の整備プランを決定しています。
まずはこのような丁寧な整備の進め方を、他自治体も見習うべきであると感じました。
そして、各公園の整備プランでは、交流遊びや一人遊びなど、遊び方ごとにしっかりとゾーニングされているのが印象的です。
ワークショップを行う際にも、具体的な遊具からではなくゾーニングから検討する方が分かりやすく良い議論ができるように感じます。
導入されている遊具のうち、特にオムニスピナー、ブランコ(円盤型・椅子型)、テーブル砂場は、インクルーシブ遊具として非常に有益であると思います。(あくまで複数自治体のインクルーシブ遊具を視察した上での私見です。)
また、今回視察したいずれの公園でも、ベンチや東屋が広場のあちこちに配置されており、保護者への配慮が行き届いていることが伺えました。
トイレについては、西南杜の湖畔公園のようにバリアフリートイレが離れた場所にあるのはやはり不便であるため、インクルーシブ遊具のある広場の近くに整備することが必須であると思います。